漆喰のひとかけらを

本にアートに東京北景などなど

【小説】獣の奏者

(約800字*1

 

 

 

 

 

僕は長いこと北区の田端に住んでいたのですが*2、JR田端駅のアトレ2階にあったTSUTAYA書店で昔、この本が平積みになってたのを覚えてます。
この間、同駅に行ったら、TSUTAYA書店、撤退しててショックでした…*3


何か一区切りつくと長編が読みたくなる性格なのですが笑、今回、ふと意識の底から上がってきたのがコレでした。
一気にバーッと読みました。

 

 

全4巻という前提で読み始めたので、Ⅱ巻の終わりが
「終章 獣の奏者
となっていて「えっ?」と思いました。
あとがきによると、もともと二巻で終わるはずだった*4、というかいったん終えたお話だったんですね。
確かにⅡのラストはすごくきれいに決まっている。

 

…けど、個人的には、これ、エリンとリランの絆って形でミクロに収斂させ過ぎじゃなかろうかと思う。
僕は今の全四巻の終わり方のほうがしっくり来ます。
神王国のあり方、闘蛇と王獣の関係とその後まで書き切られてるし*5、何より、物語冒頭のソヨンの行為の意味諸々がきっちり回収されている。


しかし、Ⅱ巻もⅣ巻もそうですが、最後に怒涛の
「えええええ、そうなるの!!?」
を入れてきますね、作者上橋先生。
もちろん良い意味ですよ…と言いたいところですが、Ⅳ巻の方のはけっこうダメージ喰らっちゃう感じの、ショックな展開でした。

 

 

 

 

 

ところで、たしかほぼ同じ時期に書店に並んでたと記憶してるのだが、貴志祐介さん『新世界より』といろいろ共通点があって面白い。終わり方はある意味対照的だが。
文庫本表紙も、どちらもキレイですよね。




両方とも、そこそこのボリューム感 笑
アニメ化されたところも一緒ですね。

いつか比較するレビューも書いてみたいけど、時間、ないだろうな…。

 

 

 

 

*1:そうそう、このくらいの分量感だよ自分。これくらいなら気楽に更新できる 笑

*2:2003,4あたり~2017

*3:ドラッグストアになってました。

*4:「『獣の奏者』<闘蛇編><王獣編>の結末は、この二巻で完全に閉じています。」(Ⅱ『王獣編』p461)とのこと。

*5:スケールの大きな話がどこに落ちるかまで見極められるのは、ファンタジーの大きな醍醐味じゃないですかね。