(約4,800字、ただし条文込み)
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試験を受けていました。
ああ今年も終わっちまうなぁというタイミングで半端ながら告白しますと、今年は諸事情であまり*1本業に時間を充てられませんでした。
そんで春頃だったか、
「じゃあいっそ割り切って他のこと勉強するか」
と思った次第で、つい先日まで、ちょっと重めの試験(1次・2次)と、そいつの1次が終わったあたりからFE試験の勉強が並行して走ってました。
前者については日を改めて書く(かもしれない)として*2、本日は後者=FE試験の話を書いてみたいと思います*3。
それにしても、うまくいかなくてもどかしい系のストレスがかかると太りますね…。
さて。
FE試験=基本情報技術者試験
試験概要①
ウィキペディア先生によると、「情報処理の促進に関する法律第29条第1項に基づき経済産業大臣が行う国家試験である情報処理技術者試験の一区分」らしい。
根拠法、今初めて知りましたよ。条文見ておきましょうか笑
第1条
この法律は、電子計算機の高度利用及びプログラムの開発を促進し、プログラムの流通を円滑にし、情報処理システムの良好な状態を維持することでその高度利用を促進し、並びに情報処理サービス業等の育成のための措置を講ずること等によつて、情報処理システムが戦略的に利用され、及び多様なデータが活用される高度な情報化社会の実現を図り、もつて国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第29条
Ⅰ:経済産業大臣は、情報処理に関する業務を行う者の技術の向上に資するため、情報処理に関して必要な知識及び技能について情報処理技術者試験を行う。
Ⅱ:経済産業大臣は、機構に、情報処理技術者試験の実施に関する事務(次項及び第51条第2項において「技術者試験事務」という。)を行わせることができる。
Ⅲ:第10条第2項及び第11条から第14条までの規定は、情報処理技術者試験及び技術者試験事務について準用する。この場合において、同項中「前項」とあるのは「第二十九条第二項」と、第十一条(見出しを含む。)中「支援士試験事務規程」とあるのは「技術者試験事務規程」と読み替えるものとする。
Ⅳ:前三項に定めるもののほか、情報処理技術者試験に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
情報処理の促進に関する法律施行規則
第37条
Ⅰ:法第29条第1項の情報処理技術者試験(以下「技術者試験」という。)の区分、科目並びに対象となる知識及び技能は、別表のとおりとする。
Ⅱ:技術者試験は、筆記試験又は電子計算機その他の機器を使用して行う試験により行うものとする。
別表(第37条関係)(一部抜粋)
試験の区分:基本情報技術者試験
試験の科目:
一 情報処理システムに係る業務に関する共通的基礎知識
二 情報処理システムの開発及び活用に関する共通的基礎知識
三 情報処理システムの開発及び活用に関する共通的基礎能力
試験の対象となる知識及び技能:情報処理システムの開発及び活用に必要な共通的基礎知識及び基礎技能
ふむ。
で、同じ法律に基づいて、独立行政法人情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan、略称: IPA)ってのが設置されていて。
実際にはそこが試験事務を行っているわけですね。
第38条
独立行政法人情報処理推進機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項については、この章の定めるところによる。
第40条
独立行政法人情報処理推進機構(以下「機構」という。)は、プログラムの開発及び利用の促進、情報処理に関する安全性及び信頼性の確保、情報処理システムの高度利用の促進、情報処理サービス業等を営む者に対する助成並びに情報処理に関して必要な知識及び技能の向上に関する業務を行うことにより、情報処理の高度化を推進することを目的とする。
第51条
Ⅱ:機構は、前項の業務のほか、支援士試験事務、登録事務若しくは技術者試験事務(次条第2号において「試験事務等」という。)若しくは認定審査事務又はサイバーセキュリティ基本法第31条第1項(第1号に係る部分に限る。)の規定による事務を行う。
そのIPAのHP中、実施試験が一覧になっているページがこちら。
上部にある表のうち、真ん中「情報処理技術者」の一番下にあるのが基本情報技術者試験ですね。黄色のとこ。
要は技術者試験のいちばん基本っすね。
Fundamental Information Technology Engineer Examination、略してFE試験、です。
受験動機
純粋に勉強のため、です。
よそ*4でちょっと情シス科目を齧る機会がありまして。それまで僕、ほんとーにこちら系疎かったんですが、勉強してみたらこれはこれで面白いな、と。
同時に、齧ると勉強の必要性を改めて痛感したんですよね。これ、基本すら知らんというのは思ってた以上にまずいんじゃないか?、と。
考えてみれば、システム開発契約の契約書チェックなんかは普通に取り扱ってましたし。ASP契約に絡んだ事件なんかも起案担当したし。
その場その場でいっしょうけんめい調べはしたけど、基礎だけでも体系的に仕入れたことがあるかどうかで全然違うのは否定できんな、と、勉強しながら振り返りつつ痛たたた…となり。
この際、ちゃんと知識を入れておこう、そのためにはちゃんと試験を受験するのが効率的かつ確実だ、と考えた次第です。
試験概要②
じゃ、具体的にどんな中身なのかというと…
…
今調べてびっくりしました。
来年の4月には、かなりの大変更があるんですね。
先にIPA発表の試験要綱をあげときましょう。
まず、来年4月からのやつがこちら。
さっきはうっかりコレ↑を先に見て、「あれ…なんか俺の受けたやつと違くね…?」、となってました。
で、現行制度がこっち。
以下、ざっと見てみます。また、適宜、上記2つの資料のスクショを貼り付けます。
いつあるのか
現行制度は年2回。僕は令和4年「下期」に受けた、ということになりますね。
IPA発表『試験要綱Ver.4.9』p17より引用
ただ、日程候補も会場候補もだいぶいっぱいあるので、限定されてるって感覚はあんまりなかったです*5*6。
で、新制度だと、これが『随時』に変わるわけですね。文字通り、いつでもいいぜ、と。
IPA発表『試験要綱Ver.5.0』p17より引用
なお、画像にあるとおり、CBT形式です。パソコンスクールとかが実施会場になってるようで、僕が受けた場所は午前試験・午後試験両方ともそうでした(午前試験・午後試験については後述)。
出題形式とか〇次試験とか
出題形式は、選択問題です。これは現行・新制度/午前・午後試験共通です。上述のとおりCBT形式なので、マウスでカチカチやります。
他方、1次2次とかはないんですが、試験は、2つに大別されているというか2部構成というか。
現行試験は「午前試験・午後試験」って分け方です。
IPA発表『試験要綱Ver.4.9』p12より引用
他方、新制度では「科目A・科目B」って呼び方になるみたいですね。午前試験が科目A、午後試験が科目Bに対応。
IPA発表『試験要綱Ver.5.0』p12より引用
説明しますと:
- 分け方としては、午前試験・科目Aは知識を問うて、午後試験・科目Bは運用能力を問う、みたいな感じ。後者については、実技試験を無理やり選択問題化したって言ってもいいかもしれない。上記の新制度の説明画像の右の欄では端的に、科目Aでは「知識を問う」、科目Bでは「技能を問う」って表現されてます。
- なので、午後試験(科目B)の試験問題は長いです。これは同業者向けの説明になりますが、司法試験論文式試験の事例問題をイメージしてもらえばいいかもしれない。もちろんあんなに長くはないけど。大問(=1つの事例)に、いくつかの小問がぶら下がってます(小問のぶら下がり方は二回試験に近いかな。)。で、大問数は数問(現行の「午後問題」においては、解答する必要がある大問はたった5つ。)。*7それに対して午前問題=科目Aは、端的な問題文の知識問が何十問も出されます。
- ちなみに「午前試験」「午後試験」っていう呼び方は、たぶん、CBTじゃなかった昔の名残だと思います。たぶん昔は試験日が決まってて*8、その日の午前に午前試験を、午後に午後試験を受けたんでしょうけど、今はそこは柔軟化されてます。午前試験と午後試験を別の日に受けることも可能ですし、午前試験を午後の時間帯に受けることも、午後試験を午前の時間帯に受けることも可能です。確か、午後試験から先に受けることもできたはず。なので、今回の変更中、科目名称の変更それ自体は、単に、名前を実態に合わせたってだけですね。
ただ、じゃあ名前だけの変更なのかというと、そんなことはないわけで。
一言で言えば、試験時間がコンパクトになってますね。午前試験150分→科目A90分、午後試験150分→科目B100分。
なんでこんな変更を?
そもそも対象者像から変えるのだ、という話である模様。しらんけど。
IPA発表『試験要綱Ver.4.9』p3より引用
↓
IPA発表『試験要綱Ver.5.0』p3より引用
現行制度:高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実戦的な活用能力を身に付けた者
新制度:ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実戦的な活用能力を身に付けた者
これからは、『高度』人材とまでは言えずとも良い、ITを『活用』できれば良いのだと。
よって、想定される業務と役割も少し拡大するのだと。
現行制度:需要者(企業経営、会社システム)が直面する課題に対して、情報技術を活用した戦略立案に参加する。
新制度:組織及び社会の課題に対する、ITを活用した戦略に立案、システムの企画・要件定義に参加する。
経営者のコンサルを受けるプロフェッショナル像から、より広く、「組織」の課題解決に貢献する社会人像へとモデルを転換するのだと。
戦略立案という上流過程から関与する者のみならず、システムの企画、さらには要件定義という下流過程にのみ参加する者も含めて考えるのだと。
ITの普及、身近な各種ツールの登場に伴い、開発者プロパー試験という位置づけを見直し、間口を広げるのだと。
そのために、より受験しやすい試験に変えるのだと。通年受験可能にして、試験時間も短縮するのだと。
ふう。疲れたので、午前試験・午後試験の具体的内容とか僕の雑感とかはまた後日。
…あ。ただ、より受験しやすい試験に、ということだけれども、気になるお値段のほうはどうなるんすかね?
ちなみに現行は。
…
¥7,500。*9
*1:というか、ほとんど。かといって暇だったわけでもなく、日々「ああああぁぁぁ…」という感じでした。
*2:正直思い出したくない…あああああ事例Ⅳ………
*3:ほんとはこういうのって勉強と並行して書いた方が明らかに記録性が高まるわけですけど、自分、ダメです。できない。単純に時間の使い方がヘタっぴでバッファを作り出せないってのもあるし、書いてるうちに自意識系雑念煩悩が溢れてまとまらなくなりそう…って思うと書く気も端から出てこないってのもある。
*4:冒頭の別の試験の1次の勉強。
*5:ただ、「候補」自体がいっぱいあることと、実際受験可能かどうかは別の話。どういうことかというと、これ、IPAの予約ページから日程・会場を選ぶわけですけど、かなり先の日程まで埋まってしまってるんですよね。東京ですらそうです。後述のとおりCBT形式だから、たぶん、同じ日程・同じ会場でも、基本情報を受ける人もいれば応用情報の人、他の試験の人もいるってことじゃないかな、と思います。
*6:2023年1月20日追記:上記注内容を訂正します。応用情報はまだCBTじゃないから、基本情報と同じ会場には受験者の方はいないはずですね。(…そうすると午前試験受けたときにいらしたあの威勢のいいツーブロック集団、あの方々も皆さん基本情報だったのかしら。
*7:ただ、以上の問題のボリューム感に関しては、科目Bには当てはまらないのかもしれない。問題数が20問に増えているので。あくまでイメージということでご了解ください。
*8:2023年1月1日追記:4月と10月の第3日曜日だったらしい。